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中高年の登山は分相応に

2ndimage国内で最も人気があるエリアは北アルプス、南アルプス周辺エリアです。3,000m前後の山が連なり、その景色は壮大です。ましてやその山頂から下界を見渡した時の高揚感は、登頂者だけの特権です。毎年何万人もの登山者が訪れるこの山域一帯は、遭難事故件数も多く、その多くが中高年登山者です。いったいなぜでしょうか?
高齢者・中高年の富士登山の注意点 登山ガイド 野中径隆 - YouTube

中高年に遭難が多い理由

その理由は実に簡単です。

そもそも登山者の大半が中高年登山者だからです。小中学生などは家族連れでたまに見掛ける程度で、学生はほとんどが山岳部やワンダーフォーゲル部などの部活動単位。 個人で登山を楽しむ若者は全体の1割程度と言っても過言ではありません。いくら山ガールがブームとは言え、中高年の圧倒的多数は変わりません。

よく新聞やネットニュースで『中高年登山者の遭難が多発』などの見出しを見掛けますが、絶対数が多いのですから当たり前と言うことです。 ではなぜ中高年登山者がこれだけ多いのでしょうか?

団塊世代がカムバック

イク乗りの多くが憧れるハーレー&ダビッドソンという大型バイクがあります。国内のオートバイ市場は衰退していますが、ハーレー社だけは右肩上がりで成長しています。 登山とハーレー、その共通点はどちらも中高年がメイン層だということです。昭和中期に経済成長を果たし、余暇を楽しむ世代が増えてきたのと同時にブームになったものの一つが登山、 そしてオートバイもその一つでした。そして当時、それらのブームの中核となっていた団塊世代が定年を迎え、子ども達もとっくに成人し、 自分のためにお金を使えるようになったことで“昔取った杵柄”を思い出したのです。

ところがイメージでは昔のままでも、残念ながら体力は年相応になっていますし、バランス感覚なども衰えています。また骨が弱くなったり関節が固くなったりもしているでしょう。 昔は平気だったガレ場(ゴツゴツした岩の多い場所)やザレ場(滑りやすい砂地のような場所)でもバランスを崩して転倒し、骨折したり捻挫したりしてしまうのです。 この二十年ほどで登山の装備も格段の進化を遂げ、コンパクト化、軽量化が進みました。装備全体が軽くなったことで、体力がまだあると過信してしまうことが事故につながっているようです。

青春時代を思い出してまた縦走路へ、と思うのは素敵なことです。ただ、取った年に合わせた計画を立てて無事に戻ってくるのが中高年的スマート登山と言えるかもしれません。