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歴史の長さはトップクラスのヘリーハンセン

ヘリーハンセン 老舗が多いノルウェーの中でも一目置かれる存在なのが、ヘリーハンセン(HELLY HANSEN)。商船隊の船長だった創業者のヘリー・ジュエル・ハンセンによって、乗組員たちを波しぶきなどから守るための防水性の高いウェアを製造するメーカーとして誕生しました。創業はなんと19世紀の1877年。それから100年以上にわたり、おもに防水機能に特化したウェアの製造・開発に定評があります。

船乗りに革命をもたらした防水ウェア

創設者であるハンセンは、寒い冬の時期に波しぶきでびちょぬれになりながら作業をする乗組員たちのために、防水生地の開発を思い立ちます。その過程で彼は、キャンバス地にアマニ油を染み込ませるとしなやかで防水性にも長けた生地、のちの「オイルスキン」を発見し、1877年に会社を設立。オイルスキンは1878年のパリ万博にも出展され、最優秀賞を受賞しています。

このことからハリーハンセンは防水ウェアの先駆者と呼ばれ、現在までその地位は不動のまま。さらに1924年にはオイルスキンの最大の欠点であったべとつきを解消したうえに独特な光沢をもつ「リノックス(LINOX)」を開発し、この生地が使われたウェアは20年以上のロングセラーとなりました。

このようにつねに革新的なアイテムを開発し続けているヘリーハンセンですが、注目はリノックスだけではありません。1949年にはポリ塩化ビニルを薄く伸ばし、縫い目にテーピングを施した「100%防水」ウェアを実現し、翌年1950年には世界初となる熱着縫合技術による完全防水レインスーツを開発します。

この縫い目をテーピングする加工、現在ではジームテープ加工として防水ウェアでは当たり前となっていますね。また、当時は縫製技術がそれほど高くなかったため、ポリ塩化ビニルなどの生地を熱でとかして張り合わせる方法は、防水性を高めるにはいちばんでした。縫製技術も進化し、ジームテープ加工が主流となった現在ではウェアではあまり見られなくなった製法です。

極寒の海から命を守れ!試される防水性と保温性

ヘリーハンセンは防水性に長けたレインウェアだけでなく、サバイバルスーツにも定評があります。ノルウェーは冬は流氷が浮かぶほど寒く、一度海に落ちれば5分と生きていることができないそうです。そんな極寒の海の中でも生き残るために開発されたのが、防水性と保温性に長けたサバイバルスーツです。水中にいても水を吸い込みにくく、高い防水性をほこるヘリーハンセンのサバイバルスーツは極寒の海でも9時間は生きていられるほど高性能だったそうです。

その機能の高さに注目したのが、1年中雪と氷で覆われた南極で活動する南極探検隊。1990年にはノルウェー南極探検隊のウェアなどを手掛け、南極地点到達成功の陰の立役者となりました。

まだまだある!ヘリーハンセンの世界初

ヘリーハンセンは数々の「世界初」を開発したメーカーでもあります。いまや冬の定番ウェアとなったフリースの元祖、ファイバーパイルや防水性透湿素材の先駆け的存在のヘリーテック。現在では他のメーカーに第一線をゆずるかたちとなっていますが、歴史を振り返ってみるとアウトドアウェアの進化はヘリーハンセンなくしてはなかった、と言っても過言ではないです。

ほかにも、アンダーウェアからアウターまでを3つにわけて重ね着することで、激しい気温の変化にも対応できるスタイルを確立しました。重ね着をすることで空気の層ができるため、厚手のもの1枚のときよりも保温性が高くなます。同時に服装の微調節も簡単になったので、とても人気が高かったそうです。現在でもこのスタイルは健在で、冬山をメインに登っている登山家を中心に人気が高いようです。

さすが19世紀からあるメーカーだけに、注目すべき点がたくさんありますね。さらにもうひとつ注目したいのは、日本にも密接しているメーカーということです。1995年と2000年にチャレンジ・ジャパンとして日本が出場したヨットレースのアメリカズカップ。このときに日本チームにウェアを提供したのがヘリーハンセンでした。他にも単独世界一周のヨットレースに挑戦した白石康次郎氏のウェアを手掛けたことも有名です。日本ではあまりなじみのないメーカーですが、この機会にぜひ興味を持ってみてはいかがでしょうか。